自由が丘・自由日記 |
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海のふたという本を旅から戻ってきて読みました。 さっき大岡山のドトールで読み終わったばかり。 よしもとばななさんの本って、いつもぐぐーっと涙がこみ上げてきちゃう私。 本の題材となっている土肥の海は、 私も家族と毎年夏に出かけた海だった。 夕方、くたくたになるまで毎年泳いだ海。 浮き輪にお尻を乗っけて波間に浮きながら、 山をのんびり眺め続けた大好きな海。。。 浜辺には父さんと母さんが楽しそうにこちらを見ているという 安心と至福感につつまれている最高の夏休み。 そんなうちのファミリーは、 数年前、ワケあって完全に崩壊してしまった。 今では、みんなもうばらばら。 だから、余計、土肥の夏の海の思い出は、本当にきらきら 私の中で輝いている美しいもので、読んでいて泣けてきた。 心にふたをしてしまった、美しい思い出がそのまま本の中にあった。 失った家族と過ごした楽しかった日々を思うのは、ほんとうに切ない。 崩壊してしまってから、母のこと憎らしく思った時もあったし、 もう父も母も、自分も、誰も信じられない状態も続いた。 今思えば、半分ノイローゼ気味だったと思う。 仕方ないことだった。 ぜんぶ。 誰も間違っていなくて、誰もが正しかったということが 最近やっと認められ、受け止められるようになった気がする。 私は私の中でずっと戦っていた。 否応もなく、とてつもなくでかい悲しみと。 悲しみを受け止められるようになって、 私は本当に悲しかったんだってことを認められるようになってから、 「海のふた」を無意識のうちに手にとったような気がした。 あの頃は良かった・・・と思いつづけていた自分が やっと未来に目を向けて、新たな道を本当に歩む準備ができた感覚。 良い本とであった。 睦念さんの版画も素晴らしかった。力強い情熱を感じて釘付けだった。 きっとこれからも時々めくるような大切な本になると思う。 そして、一番しんどいときに出会ってくれて、いつも隣にいてくれる 私のパートナーに、心から感謝したいと思う。 ほんとにほんとにいつも一緒にてくれてありがとう。 私はほんとうに幸せ者だと、再び思うことができたのは あなたがいてくれるおかげです。
by nattsu358
| 2004-10-02 20:21
| ホン ノ ムシ
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