自由が丘・自由日記 |
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ドゥオーモの上に朝一番で登ることにした。 はるちゃんが行く前に、“ドゥオーモに登るなら朝早くがいいよ”と教えてくれたから。 ホテルからドゥオーモへ向かう道すがら、朝の冷たい新鮮な空気を いっぱい吸いこんで歩いた。私が朝早く起きることは滅多にない。 入り口につくと、アメリカ人男性二人しか扉が開くのを待っていなかった。 向かいの道には、通勤に急ぐ地元の人々の姿が見えた。 そろそろ足腰が冷えてきたなと思う頃に、やっと入場することができた。 お金を支払い、狭くて暗い階段を登り始める。 どのくらい大変なのかな、という一抹の不安を抱えながら・・・。 登っているとき、なんだか禊ぎに来ているような気持ちになった。 それは神社の石段を一段一段登るときとか、 鞍馬山を登ったときの気持ちと似ていた。 私の知っている数人の友人たちも、かつて同じ階段を登ったのかと思うと 不思議な感じがした。 はぁはぁしながら、最後の一番きつい階段を上りきったら フィレンツェ中のオレンジ色の屋根が、一面に広がっていた。 深呼吸しておいしい空気をなんども吸ってみた。 太陽と空が近い。すごく澄んでいる真っ青な空。 街全体をしみじみと眺めているうち、なぜだか 日本にいる今の自分を取り囲む家族や愛する友人たち、 関わってくれている人たちの顔が浮かんできて、 自分が今こうしていることに対するものすごい感謝の気持ちが溢れてきた。 彼らとは、ずっずっと昔から、時空を越えて繋がってきたような気がした。 それから、目の前に広がっている小さな家々を見ていたら、 これらひとつひとつの家には、いろんな境遇のいろんな人たちが住んでいて、 みんな毎日の生活があって、そのなかで 笑ったり、語り合ったり、怒ったり、悲しんだり、出会ったり、別れたりと、 似ているようで似ていない小さなドラマを繰り返しているんだと思った。 そして、本当に人間って自分も含めものすごくちっぽけな存在で、 なんだか人生そのものがとても微笑ましく思えてきた。 高い高い空に近いドゥオーモの屋根の上で、なにか気持ちがひとつ楽になった。
by nattsu358
| 2004-10-08 23:17
| フィレンツェ
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